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超軽負荷時にも高効率を実現する絶縁電源用LLCソリューション(第二回目)

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技術コラム

2018年 8月30日

電源コラム

超軽負荷時にも高効率を実現する絶縁電源用LLCソリューション(第二回目)

1. はじめに
前回の第1回では、UCC256301の軽負荷での高効率について概要を記載しました。
今回の第2回では、UCC256301の評価基板 UCC25630-1EVM-291に改造を加えてDCDC変換効率を測定します。

2. 改造内容
改造1) バースト開始を定格負荷の40%~に変更

評価ボードの設定では、バーストは定格負荷の10%あたりから開始されます。
これを定格負荷の40%からに変更します。 従来のICではバースト波形の電流波形が均一にならないため40%からバーストに入るとトランス鳴きが発生します。
しかし LLC IC UCC25630xはTIの特許により、各サイクルのバースト中に一定のバースト・パワー・レベルを保てます。
負荷トランジェントにもすばやく反応してリンギングを押さえる高速応答が可能です。
(変更内容)R14 732k  680k   R15 402k  430k   ※評価ボードユーザーズガイドの回路図 ->参照3

改造2) 2次側整流をダイオード整流から同期整流へ変更

アルミニウム価格の上昇によりダイオード整流の場合に必要な大きなヒートシンク価格が上昇しています。
この評価ボードの定格は10Aになりますので同期整流への変更を考えてみたいと思います。
高周波対応のUCC25630x の同期整流用に作られた 800kHz までokのIC UCC24612-2 を使います。
(変更内容)D6,D7 STPS41H100CTY   UCC24612-2 2個 + CSD19536KCS 2個

改造3) 1次側MOSFETを Si から GaN モジュールに変更

LLCでは、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)が成立しますのでスイッチングロスは小さく、SiをGaNに変えても効率に変化はなさそうです。
しかし、バーストモードではかなり高い周波数でスイッチングしていますのでGaNに変えることによる効率アップが期待できます。
GaNモジュール2個がトーテムポール接続されたLMG3410 ドーター・カードから不要なICを削除して使います。LLC ICとの信号接続は、12Vを5Vに抵抗分割
して High-side側の12Vは、ダイオード・抵抗。コンデンサのブートストラップで供給します。
(変更内容)Q1,2  Si MSFET SPW20N60CFD  TI 600V GaNモジュール LMG3410 x2

3. 測定結果グラフ
縦軸は、(2次側出力電力÷1次Bus電圧*電流)x 100
横軸は、出力電力  電圧は12V 電流は最大10A で 120Wになります


4. 写真
同期整流への改造


m角のGaNモジュール2個


GaNモジュールへの変更後の測定系


5. 考察
バースト開始点の変更は、軽負荷効率を大きくアップさせることができました。
2次側ダイオード整流から同期整流への変更は、概ね 1%程度の効率改善になります(10%~100%)
1次側シリコンMOSFETからGaNモジュールへの変更は、バーストモードでの効率アップに寄与しました。
LMG3410は、GaN FETにドライバ回路、反転DCDC回路も内蔵しているためこれらの回路の負荷電流分
効果が薄れていますが、全負荷の10%程度あたりまで効率を高めたい場合には効果がありそうです。
GaNの入力容量が小さいことが貢献していると思われます。

6. 参照
1) UCC256301 LLC IC プロダクトフォルダ
2) UCC256301 LLC 評価モジュール
3) UCC256301 LLC 評価モジュール ユーザーズガイド  回路図有り
4) UCC24612  同期整流IC プロダクトフォルダ    注)LLC用は UCC24612-2 
5) CSD19536KCS 同期整流用 MOSFET 100V 2.3mΩ
6) LMG3410R070 600V 12A シングル・チャネル GaN 出力段
7) LMG3410-HB-EVM LMG3410 ドーター・カード  小基板
8) LMG3410 ドーター・カード のユーザーズガイド   回路図有り

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